Sulphur 2(サルファー2)は、2026年5月ごろに公開され、「無検閲系」と紹介されることがあるオープンソースの動画生成AIです。テキストや画像から動画を作れるモデルとして話題ですが、名前だけが先行して、実際に何ができて、何が確認できていないのかは分かりにくい状況です。この記事では、Hugging Faceの公式モデルページや日本語の報道で確認できたことと、確認できていないことを分けて、初心者向けに整理します。

この記事の調査状況(2026年6月22日時点)

この記事は、Hugging Faceの公式モデルページ・派生ページ・日本語の報道記事など、公開されている 情報をもとにまとめた「調査記事」です。運営者によるローカル実行(モデルのダウンロードやComfyUIでの 生成)はまだ行っていません。そのため、画面で確認できた内容と、報道で言われている内容、まだ 確認できていない内容を、できるだけ分けて記載しています。Sulphur 2は新しく、情報は今後変わる 可能性があります。利用する際は、必ず公式の最新情報とライセンス・規約をご確認ください。

この記事で分かること

  • Sulphur 2がどんなAIか(オープンソースの動画生成モデル)
  • ベースとされるLTX 2.3との関係
  • Hugging Faceで確認できたこと(対応タスク・ファイル・タグなど)
  • Text-to-Video/Image-to-Video/GGUF/prompt enhancerとは何か
  • ローカルで動かす場合のComfyUI・VRAMなどの現実的な注意点
  • オンライン版らしきサイトについて(公式かどうかは未確認)
  • 「無検閲」「アダルト」「無修正」という言葉の正しい受け止め方
  • 利用前に必ず確認すべきこと(ライセンス・規約・権利)

Sulphur 2とは

Sulphur 2は、Hugging Faceで公開されているオープンソースの動画生成モデルです。公式のリポジトリは「SulphurAI/Sulphur-2-base」という名義で、モデルカード(モデルの説明ページ)には「an uncensored video generation model(無検閲の動画生成モデル)」と記載されています。

Hugging FaceのSulphur-2-baseモデルページ上部。モデル名と提供元が表示されている画面
Hugging Faceで公開されているSulphur 2のモデルページ(2026年6月確認時点)。これは「遊ぶサービス」ではなく、モデルを配布するページです画像を選択すると拡大表示できます

ここで大事なのは、Sulphur 2はブラウザ上のサービスというより、モデル(ファイル)そのものを配布しているものだという点です。後ほど触れますが、基本的には自分のパソコンにダウンロードして動かす(ローカル実行する)タイプで、手軽さよりも自由度を重視した上級者向けの性格があります。

開発元についての注意(断定しません)

Sulphur 2の開発者は、日本語の報道などで「FusionCow」という名義の人物だとされ、2026年5月に 公開されたと報じられています。開発の背景については情報が限られており、本記事では特定の企業や チームとの関係は断定しません。報道で言われている範囲として受け止めてください。

LTX 2.3ベースとは

公式モデルカードによると、Sulphur 2は Lightricks社の「LTX 2.3」をベースにした動画生成モデルです。LTX 2.3は、テキストや画像から動画を生成するためのモデル/技術で、ローカル環境(ComfyUIなど)で動かせることで知られています。

Sulphur 2は、このLTX 2.3をファインチューニング(追加学習で調整)したものと説明・報道されています。つまり「まったく新しい技術」というより、「既存のLTX 2.3をベースに、より自由度を高めた派生モデル」と捉えると分かりやすいです。

Sulphur 2のモデルカードの説明部分。LTX 2.3ベースであることや対応タスクが書かれている画面
モデルカードの説明。LTX 2.3ベースであること、テキスト・画像からの動画生成に対応することが確認できます(公式表示)画像を選択すると拡大表示できます
報道として(断定はしません)

日本語の報道では、Sulphur 2は約12.5万本の動画で学習され、その学習データから違法コンテンツは 除外されたとも報じられています。また、パラメータ数は「90億(9B)」と紹介されることが多い一方、 一部の派生ページでは別の数値が表示されており、食い違いがあります。これらは報道・表示ベースの 情報のため、本記事では数値を断定しません。

Hugging Faceで確認できたこと

公式のモデルページで確認できた範囲を整理します。

  • モデル名:Sulphur-2-base(提供元名義 SulphurAI)
  • 説明:「an uncensored video generation model(無検閲の動画生成モデル)」
  • 対応:テキストからの動画生成(t2v)、画像からの動画生成(i2v)
  • 付属:プロンプトを補助する仕組み(prompt enhancer)が同梱
  • 配布形態のタグ:Text-to-Video / Diffusers / Safetensors / GGUF など
  • 関連するSpaces(オンラインで試せる小さなアプリ)の表示もありました
Hugging FaceのFiles and versionsタブ。モデルファイルの一覧とサイズが並んでいる画面
Files and versions。モデルファイルの構成やサイズが確認できます。容量が大きく、手軽に試すというより準備が必要なことが分かります画像を選択すると拡大表示できます
Sulphur 2のタグ表示部分。Text-to-Videoなどの対応タスクが分かる画面
タグの表示。Text-to-Videoなどの対応が確認できます(タグは時点により変わることがあります)画像を選択すると拡大表示できます
人気度について(数値は断定しません)

確認時点では、ダウンロード数やいいね(likes)が比較的多く表示されており、注目を集めている 様子はうかがえました。ただし、これらの数値は時点によって大きく変動するため、本記事では 具体的な数値の断定は避け、「人気を集めているモデル」という程度にとどめます。

関連するSpaces(オンラインで動かせる小さなアプリ)の表示もありましたが、それが公式のものか、第三者が作ったものか、また個別の中身が健全かどうかまでは確認していません。リンクをたどる際は内容に注意してください。

Sulphur 2に関連するSpacesの一覧が表示されている画面
関連Spacesの一覧。公式か派生かは断定できず、個別の中身(健全性)も確認していません画像を選択すると拡大表示できます

Text-to-Video / Image-to-Video / GGUF / prompt enhancer

専門用語が続くので、簡単に整理します。

  • Text-to-Video(t2v):文章(プロンプト)から動画を生成する機能です。
  • Image-to-Video(i2v):画像をもとに動画を生成する機能です。Sulphur 2はこれにネイティブ対応とされています。
  • prompt enhancer:入力したプロンプトを、より動画生成に向いた形に補助する仕組みです。Sulphur 2にはこれが同梱されていると記載されています。
  • GGUF:モデルを軽量化(量子化)したファイル形式です。容量やメモリ使用量を抑えられますが、扱いには対応ツールが必要です。

GGUF版については、第三者(vantagewithai など)が量子化版を派生として再配布しています。こちらは公式本体とは別の配布物です。

vantagewithaiによるSulphur 2のGGUF量子化版ページ。ComfyUI向けと書かれている画面
第三者によるGGUF量子化版(ComfyUI向け・派生/再配布)。公式本体とは別の配布物です画像を選択すると拡大表示できます

量子化版は、3bit(約10GB台)から8bit(約22GB台)まで複数のサイズが用意されていました。数字が大きいほど高精度ですがファイルも大きくなります。いずれにせよそれなりの容量とメモリが必要で、軽い気持ちで試せるものではありません。

Sulphur 2がモデル配布ページであることが分かるHugging Faceの画面
Sulphur 2は「ブラウザで遊ぶサービス」ではなく、ローカルで動かすモデルの配布が中心です(後述のHappyOysterとの違い)画像を選択すると拡大表示できます

ローカル実行とComfyUI・VRAMの注意点

Sulphur 2は、基本的に自分のパソコンにモデルをダウンロードして動かすタイプです。報道や解説では、ComfyUI(ノードをつないで画像・動画生成を行うツール)と、LTX系のノードを使う方法が紹介されています。

Sulphur 2のローカル導入やVRAMについて解説している記事の画面
ローカル実行やVRAMについて解説する第三者記事。必要環境は条件次第とされています(二次情報)画像を選択すると拡大表示できます

注意したいのは、動かすためのハードルが低くないことです。ある解説記事では、必要なVRAM(グラフィックボードのメモリ)は使う版・解像度・フレーム数などの条件によって変わり、「8GBでは厳しい場合がある」とされていました。

オンライン版らしき sulphur2.org について

調べる過程で、「sulphur2.org」というオンライン版らしきサイトも見つかりました。ブラウザで動画を生成できるとうたい、「最初の1本は無料」といったフリーミアム的な表示や、Hugging Faceのモデルページへのリンクもありました。

sulphur2.orgというオンライン版らしきサイトのトップ画面
オンライン版を称するサイト(sulphur2.org)。公式かどうかは確認できていません画像を選択すると拡大表示できます

「無検閲」「アダルト」「無修正」という言葉について

Sulphur 2は「無検閲系」と紹介されることがあり、その自由度の高さから、アダルト用途や無修正生成を連想する人もいるかもしれません。検索でも「アダルト」「無修正」といった言葉で調べる人がいるのは事実です。

ただし、ここはとても大切な部分です。

つまり、「無検閲系と紹介されること」と「そうした用途で使ってよいか」はまったく別の問題です。可能性を感じさせるモデルではありますが、実際にどう使うかは、ライセンス・規約・各国法・倫理面を確認したうえで、利用者自身が責任を持って判断する必要があります。

利用前に確認すべきこと

実際にSulphur 2を使うなら、最低限、次の点を確認してください。

  • ライセンス:派生ページでは「ltx-2-community-license-agreement(LTX 2 コミュニティライセンス)」と表示されていました。ただし、その本文や細かい条件までは確認できていません。
  • 商用利用:可否はライセンスや利用するサービスの規約しだいです。本記事では断定しません。
  • 生成物の権利:誰に権利があるのかは未確認です。規約を確認してください。
  • 禁止事項:公式モデルページで明文の禁止事項は確認できませんでした。書かれていない=何でも許される、ではない点に注意してください。
Sulphur 2のライセンス表示部分。ライセンス名が確認できる画面
ライセンス表示。名称は確認できますが、商用利用や生成物の権利は本文の確認が必要です画像を選択すると拡大表示できます
Sulphur 2に関する注意書き・規約まわりの画面
利用規約や注意書きにあたる部分。明文の禁止事項は確認しきれず、利用前の確認が必要です画像を選択すると拡大表示できます

報道では、開発側が学習データから違法コンテンツを除外したとも伝えられています。これは裏を返せば、違法・非同意の用途は想定されていないということでもあります。

使ってよさそうな用途

合法かつ権利的に問題のない範囲であれば、次のような用途が考えられます。

  • 風景・自然・物体などの短い動画の習作・創作
  • 自分の権利が及ぶ画像をもとにした動画化(Image-to-Video)の試作
  • ローカルで動かせるオープンソース動画生成の技術検証・学習
  • 商用利用を伴わない、個人的な創作の練習

いずれも、ライセンスと規約の範囲内でという前提が付きます。

初心者が注意すべき点

  • 導入のハードルが高い:ComfyUIの設定、大きなファイルのダウンロード、相応のGPUが必要とされます。
  • 「無検閲」に引っ張られない:自由度の高さは、そのまま法的・倫理的リスクの大きさにもつながります。
  • オンライン版に注意:公式性が確認できないサイトでの登録・課金は慎重に。
  • 権利・規約は自分で確認:本記事を含め、ネット上の情報は時点で古くなります。最終判断は公式情報で。

報道記事の見出しが、可能性を問いかける形(疑問形)で書かれていることもありますが、「できると断定された」わけではない点にも注意してください。

Sulphur 2を紹介する日本語の報道記事の見出しと概要部分の画面
日本語の報道では無検閲オープンソース動画生成AIとして紹介されています(見出しは可能性を問う形。報道として参照)画像を選択すると拡大表示できます

Sulphur 2とHappyOysterの違い

同じ「AIで動画・映像を作る」でも、性格はかなり異なります。ブラウザですぐ試せるタイプに興味がある方は、HappyOysterとは?操作できるAIワールドモデルを無料クレジットで試してみたもあわせてご覧ください。

観点Sulphur 2(本記事)HappyOyster
提供形態ローカル・オープンソース寄りブラウザ型サービス
体験動画(映像)の生成生成した世界の中を操作できる
利用環境自分のGPU・ComfyUIが必要登録すればブラウザで使える
向いている人自分の環境で動かしたい上級者手軽に試したい初心者

未確認のこと

今回は公式情報と報道をもとにした調査で、ローカル実行・生成テストは行っていません。以下は確認できていないため、断定していません。

  • ライセンスの細かい条件(商用利用の可否を含む)
  • 生成物の権利の帰属
  • 公式の明文の禁止事項
  • 必要VRAMの具体的な数値(条件次第とされる)
  • パラメータ数(9Bと報道されるが、表示に食い違いあり)
  • オンライン版(sulphur2.org など)の公式性
  • 日本語プロンプトへの対応可否
  • 音声生成の有無(テキスト・画像からの動画生成の記載のみ)
  • アダルト・無修正用途の可否(方法は扱わず、可否も断定しません)

まとめ

  • Sulphur 2は、LTX 2.3ベースとされるオープンソースの動画生成AIで、テキスト・画像から動画を作れるとされています。
  • 「無検閲系」と紹介されますが、「無検閲=何を作ってもよい」ではありません。アダルト・無修正・実在人物・未成年・非同意などは法律・規約・権利の面で大きなリスクがあります。
  • 基本はローカル実行(ComfyUI・相応のGPU)が前提で、初心者にはハードルが高めです。
  • ライセンス・商用利用・生成物の権利・禁止事項は確認しきれておらず、利用前に自分で確認が必要です。
  • 運営者はまだ実際の生成を行っていないため、使用感は今後の検証課題です。

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